宇宙の中心

ほの暗い地下に宇宙が出現した。
三種の楽器と声と無数の機械が、渾然一体となって空気を歪める。
芯から操られた人々の体が、熱に浮かされたように揺れていた。
まばゆい光が空気を貫く。
常ならば目を閉じて音に浸るところを、踊る光があまりにも美しくて、まばたきの回数を減らした。
目から耳から焼きついて、骨にまで届いて、痕を残す。
 
地下の宇宙から抜け出すと、地上はあまりにもあっけなく地球だった。
骨に残る宇宙の記憶をぽたぽたとたらしながら、駅へと歩き出す。