眠り姫或は

昨日、はてなハイクで知り合った方々にお会いした。
ダイアリーでの告知を受けて、いつものごとく軽い酸欠状態で参加させていただいた。
いい加減に慣れればいいのに、この心臓め。
 
予報通りの晴天で、汗ばみながらも爽やかな陽気だった。
初夏の気配に、迫り来る梅雨を予感したり。
集合後、まずはファミレスで幹事さん考案のゲームに興じる。
事前に回答しておいた質問の回答用紙を見ながら、
どのidさんがそれを書いたかを予想するというもの。
当たっても外れても面白い。
私は割りと多くの人に見抜かれているらしいことが判明した。
漢字一字から人間性を読み取られる恐ろしさ!
ゲームが終わったところで、次の目的地であるオルゴール博物館へ。
移動中、はてなハイクを始めたきっかけのお話を聞く。
当然のことながら、入り口は十人十色でいつ聞いても面白い。
 
オルゴール博物館はこぢんまりした造りだった。
催しごとに展示物が変わるとのことで、
今回は十九世紀末の流行音楽をカウントダウン形式で紹介していただいた。
オペラ音楽の壮麗な旋律を、無数のピンが華やかに奏でる。
その音は、よく寝かされた醸造酒のように、まろやかで後味が濃い。
ぼわんと広がる残響や、時折ひっかかる金属音は、深く沈む澱のようだ。
機械が違えば音の大きさや音色、音域も違う。
個性豊かで聴いていて飽きない。
ベルや小さな太鼓まで一緒に演奏してくれるものは特に愛らしく、
小さな太鼓が自動でパラパラと音を鳴らすのが目にも楽しかった。
一台に12曲も収められているもの、音色が変化するもの、
演奏と共にマジックをしたり、絵を描いたり、子守をしたりする様々な仕掛け人形。
その発想や工夫や細工に、目が回るような、おぼれるような感覚に陥った。
人の手を経て、人の手を離れ、今も音を奏で続ける小さな装置。
最後はコーヒーをいただきながら、1900年代初頭の自動演奏のピアノを聴く。
ピアニストの実際の演奏を記録したものを読み取って弾いているのだと言う。
ドラマティックに弾かれる鍵盤を眺めていると、
そこにぼんやりと人影が浮かび上がって見える気がした。
案内をしてくれた方が、
これを演奏した人がいて、これを残した人がいることを思った時、人間の可能性を強く感じた、
と言っていて、それに大きく頷いたのだった。
 
ここで名残惜しくも離脱となったわけでしたが、とても心に残る時間となりました。
幹事のid:dj_redさん、お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました!
cloud_leafさん、yarukiさん、はじめましてだったinkbonさん、takhinoさん、
ご一緒させていただいて楽しかったです。またお会いしましょう。