秋の夜を吹きぬける風はその冷たさとは裏腹に落ち葉のあたたかなにおいがする。 襟元をかきあわせ、心持ち早足で、それでも呼吸を楽しみながら、団地の隙間を歩く。 もう我が家が見える、というところへ来て、眼の前に何やら物体が浮かんでいるのに気付いた…
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