蕗の葉味噌

蕗の葉と茎の境目に、ざくりと刃を入れる。 切り分けられた茎の方はラップにくるんで冷蔵庫へ。今回の主役は葉なので、お休みしていてもらう。 葉は丁寧に汚れを洗い落とし、ボウルに溜めた水に浸け、充分に水を吸って広がるのを待つ。 しゃきっと生き返った…

赤い水筒に

かじかむ指先をぎゅっとコップに押し付けながら、公園のベンチで紅茶を飲んだ。 家で飲む時は何も加えず、あっさりと飲む。 外にはミルクとお砂糖を入れたものを持っていく。 理由は単純で、その方が赤い水筒に似合っているから。 明るく浅はかな赤に、たっ…

素朴であれ

また突然食べたくなったので、PRも兼ねて記しておくことにする。 「もすこ」、というお菓子がある。 又の名を「もしこ」という宮崎県は都城の郷土菓子で、説明には落雁と書かれている。 初代DSくらいの大きさの白くて平べったい長方形で、私は棒状に切り…

舌に幸福を

おいしいものを食べられることじゃなくて、 おいしいと思って食べられることが嬉しい。 めんたい高菜をじゃくじゃく食べる。 納豆、わさび漬け、脂がのって皮がぱりっと焼けたしゃけ。 白いご飯をもしゃもしゃ食べる。 お出汁がじっくり染みこんだ大根といか…

 味覚秋仕様

気温が高いときに、誰が好き好んで体の内側からあたたまるものを飲むものか。 さらりと乾いた冷気あってこそ、熱いスープが生きるのだ。 細かく切ったお野菜のだしとベーコンの塩味の効いたコンソメスープ、 ごろごろのじゃがいもに甘いにんじん、とろけるた…